2021年11月18日 12:02

OKI(沖電気工業)は、西武鉄道が行う踏切安全対策に関する導入試験に、丸紅ネットワークソリューションズとともに参加する。

踏切事故を防止するために、鉄道事業者は高規格な踏切支障検知装置などによって踏切道内における自動車の滞留を検知する保安装置を導入しているが、この装置は一般的に高価で、すべての踏切道に設置することは困難だ。また事故発生時に現場の状況を確認するなどのため、踏切支障検知装置とは別にカメラを設置する必要もあった。

今回の導入試験では、西武鉄道の2か所の踏切にOKIと丸紅ネットワークが共同開発した監視カメラによる「踏切滞留AI監視システム」を設置し、その検知結果を現場の特殊信号発光機と連動させる。「踏切滞留AI監視システム」は、踏切内に滞留する自動車などの物体を検知するだけでなく、骨格検知により人の滞留も検知することができる。AI画像処理はエッジ(端末)側で行うため、「AIの目」がとらえた複数の画像をその場でリアルタイムに処理し、滞留を検知した際には現場の特殊信号発光機と直接連携して、通信網の状況の影響を受けることなく、列車の運転士に迅速に異常を知らせることが可能。映像カメラとしても利用できるため、カメラを追加設置することなく、司令所などの遠隔地からも現場の状況を確認することができる。

試験期間は12月14日~2022年3月31日。設置箇所は、池袋第9号踏切(東京都豊島区西池袋4-39-7)、所沢第3号踏切(埼玉県所沢市大字久米759-12)。

OKI