2021年11月05日 19:48

食文化が運営する「うまいもんドットコム」「豊洲市場ドットコム」では全国の隠れた食材を発掘し、紹介している。
青森県石川町で作られる高徳(りんご品種)の品質を高め、究極の蜜入りに仕上げたもののみが名乗れる「こみつ」。個体差はあるが、輪切りにしてみれば、一目瞭然。蜜がたっぷり入っている。切らなくとも、中の蜜の入りは想像でき、強い電灯や太陽で透かすと、中が明るく見えるほど。
蜜入りりんごには香り成分である「エチルエステル類」が多く含まれ、りんごの風味を強め、美味しさを高めることが、研究機関によって明らかとなっている。「こみつ」を輸送するトラックはりんごの良い香りに包まれるほどだ。
「こみつ」は極めて美味なりんごながら、数年前には消滅の危機に瀕していた。豊かな蜜入りも店頭では伝わりにくく、小玉傾向だったが故に、一般市場ではあまり評価されていなかった。しかし、長年に渡る津軽石川農協の粘り強い販路開拓と品質管理の徹底が実り、ようやく舌の肥えた消費者の支持を得ることで、絶滅の危機から復活。次第に高まる人気に伴い、他産地でもこうとく栽培の動きが出たことから、津軽石川農協は差別化を図るため、商標登録を出願。同農協産の一定規格以上のこうとくの商品名を「こみつ」とし、2007年8月に登録が認められた。年々こみつの虜になるファンは増え、完売必至のりんごとなる。
冬のギフト・お歳暮の一番人気、青森産蜜入り林檎こみつは、今期は2万箱の販売を予定している。