2021年10月08日 12:01

木造注文住宅を手がけるアキュラホームグループは、9月28日~30日の期間、土木研究所(茨城県つくば市)で、実物大の住宅で倒壊実験を実施した。
住生活研究所の調査によると、コロナ禍以降「広いリビング」の間取り需要が高まっている。今回、試験体として、「広いリビング」があり、大型の吹き抜けを設けた「超空間の家」を実物大で建築した。前面に約5.5m、側面に約3.5m、合計9m開いた大きなコーナー窓、さらにワイドな吹き抜けの両立は、本来壁を設けないと耐震性確保が難しいと言われている。
今回は「限界を知ったうえで今後の商品開発に活かす」という目的のもと、机上のデータのみならず、実際に住宅が倒壊する限界点を実験によって確認することが重要と考えた。そのため、三日間の実験中、徐々に床や耐力壁、石膏ボードなどを取り外し、開口部などを拡大。「あり得ない」構造体にして、どこまですれば倒壊に至るかを調査した。
いろいろな地震の耐震実験はもちろんのこと、7回目以降、吹き抜けを拡大、石膏ボードを取り外し、1階の耐力壁2枚を外すなど、徐々に耐震にかかわる部分を変えた。最後の実験となる10回目では、阪神淡路大震災の1.5倍の強さとなる加震を行い、倒壊するかどうかにチャレンジ。最終実験後の試験体は大きな損傷も無く、軽度な改修で住み続けられる状態で、「8トン壁」には異常が無いことが確認された。この実験の詳細に関しては、監修の学識者とともに建築学会に論文として発表する予定。