2021年10月06日 17:44
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鹿児島工業高等専門学校都市環境デザイン工学科の山内正仁教授は、鹿児島県霧島市の地域特産であるお茶の栽培試験を通して、下水処理で生じる汚泥と焼酎粕等の地域バイオマスを利用した肥料の開発に取り組んでいる。

具体的には、下水汚泥(脱水汚泥)に地域バイオマスである竹おが屑、米糠、焼酎粕を混合。利用者にとって使い勝手の良い、重金属含有量を低減した新規下水汚泥肥料の量産化技術を確立する。本研究では「脱水した下水汚泥」と、地域バイオマスである「竹おが屑」「米ぬか」「焼酎粕」の最適配合割合を算出し、安全な肥料の調製に成功した。また量産化した新規下水汚泥肥料を茶栽培に適用し、既存の有機質資材の代替として利用できることを実証。さらに新規下水汚泥肥料を核とした茶栽培への新規市場開拓可能性を評価し、事業採算性を明らかにしていく。

本研究は、独立行政法人環境再生保全機構の環境研究総合推進費の採択を受けて実施中で、全国の高専で1件のみの採択。また高専初の肥料登録も、既に完了している。

鹿児島県が定めた下水汚泥堆肥(肥料)の施用ガイドラインには、下水汚泥堆肥(肥料)は多量の重金属を含んでいることや消石灰混入による高pHであること等から、茶園には原則施用しないと定められていた。その意味でも本研究は挑戦的・意欲的な取り組みである。従来からの有機栽培で使われる肥料は高額であり農家の経営を圧迫する一因となっているが、この下水汚泥肥料を使うことでコスト削減が実現することも期待される。