2021年10月06日 11:19

データグリッドは、日本経済新聞社の研究開発組織である日経イノベーション・ラボと共同で、AIが生成した人物(バーチャルヒューマン)を用いて動画を制作するシステムを開発した。

開発したのは、データグリッドのAIアセットを利用し、AIが作り出した実在しない人物や、実在する人物をベースに、自由に発話する内容を指定し動画を制作するシステム。報道での利用やオンラインイベントの司会など、様々なシーンでの利用が考えられる。現在、動画作成には出演者や撮影スタッフ、スタジオの確保など多くのコストがかかる。このシステムを使うことで、いつでも誰でも簡易的な動画を作ることが可能となる。

同システムは、人物をキャプチャーしてCGを作る従来の手法とは異なる技術で、AIに人間の写真の特徴を学習させることで、より自然な人物データを自動生成することを可能にした。その人物データに対して、入力された音声データに合わせて自然な形で唇の形を生成するリップシンク技術や表情を変化させる技術を組み合わせることで、バーチャルな人物ながらも写実的な動画を生成する技術の開発に成功した。リップシンクは入力する音声データの言語を問わずに多言語で利用することが可能。この技術により人種、年齢、性別、言語を問わない多様性のあるバーチャルヒューマンを利用することが可能となる。

今回、日本経済新聞社の若手社員約160人にAIで顔写真を利用する事に対する同意を得て、若手社員の中間的な特徴を持つ男女のバーチャルヒューマンを作成した。このシステムは日本経済新聞社グループ内での利用が開始される。

データグリッド