2021年09月07日 17:06

寛政元年創業、老舗醤油蔵・笛木醤油は、「伝統的な木桶仕込みのクラフト醤油」を未来に繋げることを目的に、杉の新桶を製作する。30石の大桶づくりを間近で見られるのは首都圏では殆どなく、非常に貴重な機会となる。

かつては、しょうゆだけでなく、味噌・酒など日本の発酵文化に木桶は欠かせないものだった。しかし効率化や均質化を求めていくなかで、今では、日本の醤油出荷量全体における木桶仕込みの醤油は、1%以下とも言われている。そのため、醸造用の大きな木桶をつくることができる「木桶職人」も激減した。

笛木醤油では、現在100~150年ほどの杉桶を用いて醤油づくりを行っているが、桶をつくる機会を創出することで木桶仕込みを次世代に繋げようと、木桶職人集団「結い物で繋ぐ会」とともに2016年より桶づくりを行ってきた。今年度はこれまでよりスケールアップし、近年では一番大きな30石の大桶を新たに作製する(30石は5400リットル、高さ2m直径2.1m)。

木桶による醤油の製造は、ステンレスやタンクで人工的に発酵を早く進める方法よりも時間も手間もかかるが、木桶内で酵母菌などの微生物が生き続けじっくりと発酵が進み、美味しい醤油ができるという。本年は埼玉150周年記念事業としても位置づけ、9月8日より大桶づくりを開始し、9月10日~12日に開催予定の弊社「232周年記念 創業祭」にて完成披露する予定。