2021年09月03日 16:59

ファンケルは、鹿屋体育大学と共同で、アスリートの鉄不足を尿中のフェリチンを非侵襲検査で測定することで早期に発見し、貧血を予防できる可能性について確認した。研究では大学生アスリート74人(男性43人、女性31人)を対象とし、血清中のフェリチン値と尿中のフェリチン値を検査した。

体内の貯蔵鉄を反映する指標として広く利用されている血清フェリチンの検査結果は、男性では2.3%、女性では41.9%が基準値未満に該当。特に、女性アスリートの4割が鉄不足の状態だった。アスリートは激しい運動による鉄分の消費に加え、汗などによる排出により鉄不足が起こりやすいと考えられている。この結果から、特に女性のアスリートが鉄不足の状態であり、男性アスリートは、持久力などの運動パフォーマンスにより、大きな差があることが分かった。

また、血清フェリチン測定と同時に、同社で開発した尿中フェリチン簡易測定技術を用いて、尿中フェリチン値を測定。その結果、血清フェリチン値と尿中フェリチン値に有意な正の相関が認められた。これらの結果より、簡便で非侵襲検査である尿検査によりアスリートの鉄不足状態を早期に発見することで、貧血を予防する可能性が示唆された。

貧血を予防することでアスリートの運動パフォーマンスの維持向上が期待できる。今後も引き続き、非侵襲検査によるアスリートの貧血予防およびパフォーマンス維持向上につながる研究を進めていく。