2021年08月27日 11:28

チャレナジーは、フィリピン共和国バタネス州で、同社が開発する台風もエネルギーに変える「垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス風車)」のフィリピン初号機を、8月25日に本格稼働した。
フィリピンは、2016年に同国エネルギー省が発表したデータによると、急激な経済成長によりエネルギー需要が著しく増大しており、電化率は92%に達している。一方で、約800万人が未電化地域に住んでおり、電気が通っている地域でも24時間の電力供給が受けられない弱電化地域が40%以上あるのが現状だ。送電網から遠く離れた無電化・弱電化地域では再生可能エネルギーが地産地消のエネルギーとして期待されているが、台風の多さが風力発電普及のネックとなっている。そこで、台風などの強風速域においても発電できる「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するチャレナジーは、フィリピンにおいて地産地消できる電力供給を目指し、実証事業をスタートした。
同プロジェクトは、環境省「コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業」の一環として実施。フィリピン初号機は、2018年に石垣島でスタートした実証成果を反映し、性能・耐風速設計がともに向上している。より強風が吹く地域でも設置が可能となり、フィリピンの建築基準をクリアする70m/秒まで耐えられる設計となっている。また、発展途上国の離島は、インフラが未整備な地域も多く、これまで大型クレーンなどの使用が難しいため、風力発電機の設置に向かない場所とされていた。今回はその様な環境での建設性を向上させる取り組みとして、重機などを使用せずに建設した。