
帝国データバンクは自社データベースをもとに、全国約117万社の事業会社を対象に女性が社長(代表)を務める企業について分析を行った。同様の調査は、2020年7月に続き8回目。
それによると、2021年4月時点における女性社長の割合は、前年比0.1ポイント増の8.1%となっており、2年ぶりに上昇し、過去最高を更新した。女性社長比率を業歴別でみると、企業が設立されてから「10年未満」が11.1%でトップ。次いで「10~19年」が9.5%、「20~29年」が8.3%で続き、業歴が浅い企業で女性社長比率が高い傾向がみられる。
次に、女性社長の年代構成をみると、「70~74歳」が15.9%で最も割合が高い。平均年齢は63.2歳(前年比+0.2歳)で、女性社長企業の約6割が60歳以上だった。就任経緯別では「同族承継」が50.8%で半数を占め、男性社長の同割合(39.5%)を11.3ポイント上回っている。直近1年間の新任女性社長比率を年代構成別でみると、「50~54歳」が15.3%でトップとなった。次いで「55~59歳」(14.5%)も高く、50代が全体の約3割を占めている。
加えて、就任経緯では、「創業者」(63.3%)が最も割合が高い。資本金別では「1000万円未満」の割合が9.1%で最も高かった。中小・零細企業では女性社長比率が高まるも、資本金規模が大きい中堅・大企業では低水準にとどまった。業種別では「不動産」が16.9%でトップ、細分類別では「保育所」が41.5%で唯一の4割台となっている。
本調査により女性社長比率は依然として1割未満にとどまっており、就任の経緯も「同族承継」が多く、キャリアに基づいた就任事例は、男性社長に比べると低い点は変わっていないことが明らかになった。