2021年07月09日 18:43

メディカルノートと日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、頭頸部外科の啓発を目的として、耳鼻咽喉科に関する認知度調査を実施した。まず、頭頸部の位置を示す画像として、3枚のダミー画像を加えた4枚の画像を回答者に提示したところ、正しい位置を示した画像を選んだ人は31%。多くの人が「頭頸部」が指す体の部位を曖昧にしか把握していないことが分かった。
また、耳鼻咽喉科が治療可能ながんを並べ、「耳鼻咽喉科で検査・治療ができると思われるがんをすべて選んでください」と質問したところ、耳鼻咽喉科が得意とする舌がんでも63.5%の認知に留まった。また、甲状腺がんは32.5%の人しか、耳鼻咽喉科で治療できることを知らなかった。
また、耳鼻咽喉科で治療できると思われる症状についても質問。その結果を見ると、舌が腫れたときに耳鼻咽喉科への受診を考えない人は、舌がんの治療ができることを知らない傾向にあることが分かった。同様に、首が腫れたときに耳鼻咽喉科への受診を考えない人の方が、甲状腺がんの治療ができることを知らない傾向にあった。さらに「耳鼻咽喉科で治療ができると思われる病気をすべて選んでください」という質問において、顔面神経麻痺が選択される割合がもっとも低かった。
調査の結果から、耳鼻咽喉科で治療できることが知られていないがんや病気が明らかになった。頭頸部の位置などを正しく把握できていない人も多いことから、耳鼻咽喉科の啓発においては、専門とする体の部位などを周知する施策が必要であると考えられる。