2021年06月17日 18:44

日立ハイテクは、このたび研究開発や品質管理の現場において、2機種からなる小型プローブ顕微鏡AFM100シリーズの販売を開始する。販売されるのは、操作性を追求し、スループットの向上を実現した原子間力顕微鏡(AFM)のAFM100 Plusと、そのエントリーモデルであるAFM100。

AFMは、走査プローブ顕微鏡の一種。先端径が数ナノメートルに尖ったプローブ(探針)で試料表面を走査し、ナノレベルで試料表面の形状観察と物性マッピング評価を同時に行うことができる計測・分析装置。電池材料や半導体・高分子・生体をはじめとする、幅広い産業分野での研究開発や品質管理の現場で活用されている。

これまでAFMの操作では、幅1mm程度のカンチレバーをピンセットでつまんで装置にセットするプロセスや、カンチレバー先端にある探針を試料表面上で走査する際の接触状態制御、走査速度調整などの各工程が煩雑だった。そのため各測定者の間で習熟度や感性の違いにより測定条件が異なるために、取得データに差異が生じるといった課題があった。

AFM100/100 Plusは、誰でも簡単に安定的に、確実なデータ取得が可能になるため、研究用途から品質管理におけるルーチン作業まで対応可能。特に、AFM100 Plusはグラフェンやカーボンナノファイバーなどのナノマテリアルの観察から、0.1 mm を超える広領域の3D形状観察,粗さ解析,物性評価など幅広い用途に用いられる。