2021年06月14日 17:59

順天堂大学とセルソースは、エクソソームを含む細胞分泌物(セクレトーム)を用いた、脳梗塞後遺症・パーキンソン病における新規治療開発について共同研究契約を締結した。

エクソソームは生体の細胞から分泌される小胞。細胞間の情報伝達の役割を担っており、細胞に対し様々なはたらきを促す機能を持つ。医療においては創傷治癒や炎症抑制、細胞再生等の効果が期待されており、疾患治療へ応用するための研究が世界中で進められている。この度の順天堂大学とセルソースの共同研究は、重度の運動障害を引き起こす可能性がある脳梗塞後遺症やパーキンソン病に対し、エクソソームを含むセクレトームを用いた治療の安全性・有効性を検討するものとなる。

脳梗塞は、様々な原因で脳の血管が塞がれ、脳組織に血液が巡らず損傷する疾患。脳梗塞で損傷した脳組織は部分的に再生することが知られているが、セクレトームはこの再生を促し、運動機能を回復させることで後遺症を軽減させる可能性が期待される。この度、共同研究においてセクレトームを用いた治療について検証を行っていく。

順天堂大学とセルソースの共同研究においては、脳梗塞後遺症・パーキンソン病に対してセクレトームの治療効果及び作用機序について検証するとともに、臨床応用可能か安全性と有効性の検討を進めていく。そして、セクレトームを用いた治療が確立されることで、将来的には、軽度認知障害(MCI)や高次脳機能障害等の治療への応用も期待される。