2021年05月28日 17:46

アダストリアは繊維くずによる海洋汚染問題を解決するため、繊維くずの流出を抑制する洗濯ネット「FIBER HOLD BAG(ファイバーホールドバッグ)」を開発した。「O0u (オー・ゼロ・ユー)」の公式オンラインストアにて、5月26日より販売開始する。
2050年には、海洋プラスチックごみが魚の重量を超えるとも予測されているが、この海洋プラスチックごみの35%は、洗濯由来の繊維くずと言われている。そのうち、ポリエステルなどのプラスチック由来のものは、植物由来の繊維に比べ自然に分解されるまでに要する期間が非常に長い。そのため、食物連鎖を通じて生物の体内に取り込まれてしまう恐れが指摘されている。
このたび開発された「FIBER HOLD BAG」は、通常の洗濯ネットよりも細かい網目の0.05mmの生地を表面に使用し、洗濯ネットの外に微細な繊維くずが出ない仕様。これにより、洗濯ネットを使用しない場合と比べ、平均で80%の流出抑止効果があることを、同社独自の試験により確認した。さらに、内側に網目の大きな生地をフィルターのように入れ二重構造にすることで、衣服と繊維くずが洗濯ネットの中で分かれるほか、上下に配置したファスナーから衣服と繊維くずをそれぞれ取り出しやすい構造となっている。
また、洗濯ネットを洗濯時に使用することは、衣服を長くきれいに保つことにもつながる。着用期間が1年延びると日本全体で4万t以上の廃棄物削減につながるという調査結果も出ており、こうした側面でも環境負荷の低減に貢献する