2021年05月12日 17:28

アームチェア・ヴィストBAJが、国際的に権威のあるドイツのデザイン賞「iF DESIGN AWARD 2021」を受賞した。iF DESIGN AWARDはドイツのハノーバー工業デザイン協会が主催するデザイン賞で、今年は世界52の国と地域から約1万件の応募があった。ヴィストBAJは2019年のグッドデザイン賞に続き、2回目のデザイン賞受賞となる。

ヴィストは、京都工芸繊維大学の製品デザイン計画研究室と相合家具製作所の、3年間にわたるコラボレーションを経て創造された、産学連携による新しいデザインチェア。日本のコントラクト家具の市場において、コスト面や頑丈さを求めるあまり、デザイン性や座り心地が損なわれてしまう椅子が多いため、それらを両立させた椅子を開発しようと企画された。

両者は「薄さを追求した上部のモールドウレタン、細さを追求した脚部のアルミレッグ」を取組みのテーマのひとつとして開発。その形状を実現するため、相合家具製作所のデザイン研究所であるデザインラボにて、試作モデルでのデザイン検証と強度試験を実施。自社で保有している5軸のマシニングセンターを使って、発泡スチロールを削り出した原寸モデルでデザイン検証を行い、さらに座りと張りの検証を重ねた。

座りの面においては形状の特性を生かし、背にもたれ掛かると軽くベンディングする機構を持たせている。張り方法の面ではあまり椅子張りでは使用しないコンシールファスナーを使用し、ファスナーが目立たないように工夫を施しデザインが損なわれないようにした。