2021年04月01日 14:30

「ビークル」は、認知症の人でも記憶を持つことができ、家族や介護する人とのコミュニケーションや脳の活性化に役立つ「おぼえている手帳」を発売する。

認知症の人のすべてが、いっぺんにいろいろなことができなくなるわけではない。自身で文字を書くこともでき、ノートのページをめくることも、そこに書いてあることや挟まれた写真を見ることができる人は多い。そこで、家族や介護者にも力を貸してもらい、認知症の人でも残っている能力を活用して記憶を持ってもらうための仕組みを作った。

「おぼえている手帳」は、記入ページと、写真を保持するポケットが一対になった見開きで構成されている。まず、認知症の高齢者に日々の出来事を記録してもらう。日付を書き、そして出来事を書いていく。同時に介護する周囲の人が本人の写真を撮り、これを組み合わせて「おぼえている手帳」の中に保持する。これを繰り返すことで、記録された文章とそのときの写真が、本人の記憶となる。また、折に触れて過去のページを見返すことで、認知症の人本人が、記録によって時間の経過を追体験することができる。

2025年には認知症の高齢者は750万人になると言われている。「おぼえている手帳」は、記録の蓄積によってこの問題に対応し、一人でも多くの認知症の高齢者に記憶を持ってもらおうと考えている。本製品は、オンラインショップで4月15日から発売予定。また追って書店などでの一般発売も予定している。