2021年03月03日 18:20

「のらぼう菜」は、神奈川県では、川崎市北部・小田原市を中心に、埼玉県比企郡、東京都西部地区でも栽培されている、アブラナ科の一種。川崎では8月下旬から9月中旬に種まきをし、2月末から収穫が始まる。4月末まで収穫でき、収穫期間約3か月という生命力の強い野菜で、ナバナと違い苦みが少なく、甘みのあるやわらかい食感が特徴の野菜は、子供でも美味しく食べることができる。
現在、川崎市では多摩区、麻生区など市中北部の各区で約150軒の農家がのらぼう菜の栽培を手がけており、作付面積は市内で計約3.3ヘクタール、年間の生産量は約13トンにも及ぶ。
特に菅地区ののらぼう菜は「菅ののらぼう」とも言われ、その美味しさから、市外からも購入に来る方がいるほど人気の食材。「この地区に伝わるのらぼう菜を広めたい」と、2001年には「菅のらぼう保存会」が立ち上げられた。また、多摩区の「のらぼう菜」レジェンド高橋孝次さんが、のらぼう菜の歴史や、栽培のコツ、のらぼう菜を使ったレシピなどをまとめた書籍を2020年10月1日に刊行。のらぼう菜を活かしたレシピ・加工品も登場している。
のらぼう菜は寒さが強くなるほど大きく成長し、収穫初期(2月下旬~4月中旬)は、糖とアミノ酸を多く含んでいる。濃く、しっかりとした味なので、生のままサラダにして食べるのがおすすめ。また、終期(4月下旬~)になると、アミノ酸が減る分、より甘みを感じることができるので、おひたしやごま和えにして食べるのがおすすめだそう。