2021年02月18日 15:47

キリンホールディングスのパッケージイノベーション研究所は、環境に配慮したパッケージとして、「ホットワイヤーCVD装置によるペットボトルの新規薄膜形成技術」を開発した。

近年、環境への配慮から、ペットボトルを薄くし軽量化する技術の開発が進められている。しかし、薄いペットボトルは酸素や炭酸ガス、水蒸気を透過しやすいため、飲料の内容液の酸化や劣化のリスクがあり、軽量化には限界があった。一方、酸素などの透過を抑えるさまざまなガスバリア技術が実用化されているが、ボトルの透明性が損なわれたり、充填可能な飲料が限られたり、リサイクルが困難になるなどの課題があった。

同社は特殊なセラミック棒を使うことで、酸素などの透過を防ぐ薄い膜をボトル内面に形成する技術を開発。膜原料の種類や薄膜形成条件を工夫することで、無色透明かつさまざまな飲料の充填が可能になった。PETボトルリサイクル推進協議会の「指定PETボトルの自主設計ガイドライン」にも適合したリサイクル可能なペットボトルであり、環境負荷の低減を両立している。

この開発成果が評価され、2021年1月7日(木)に、世界包装機構が主催する「ワールドスター2021コンテスト」の飲料(Beverages)部門で「ワールドスター賞」を受賞。また2020年11月11日(水)に米国ダウ社が主催する「ダウ 2020年度パッケージングイノベーションアワード」で発表された「ダイヤモンド賞ファイナリスト」にも選ばれた。