2020年12月10日 16:50

株式会社「みんなで人生会議」と医療振興会が行った、リハビリ専用シャツに看護師等が期待する効果に関する共同調査研究の結果が、日本リハビリテーション看護学会抄録集に掲載された。

それによると、リハビリ患者が自ら上衣(市販の衣服)を着る際に要する時間は平均7分、最長15分だった。最も時間がかかる困難な更衣の動作は、患部を使用しながらの「襟を持ち上げる行為」と「襟に首を通す行為」。つまり、服の「袖ぐり」「襟ぐり」に苦労されている患者が多いことが分かった。

リハビリ用シャツに求められる機能は、「片手で着られる機能」「片手で脱げる機能」「上からも下からも着られる機能」「肩の可動域を問わない機能」「ボタンがない」。また、リハビリ患者自らが更衣を行うことで「自立心」「自尊心の維持」「リハビリへの意欲」「生きることへの気力」への効果が期待されることが判明。約95%が、必要と思われる機能を有したリハビリシャツ専用シャツが必要と回答した。

今回の調査結果から、リハビリへの新しいアプローチとしての「衣料」の可能性が見えてきた。また、患者自ら着脱ができるリハビリ用シャツを身に着けることにより、患者の自立心の向上の期待があること、また、新型コロナウイルス等を筆頭とした感染症の際にも、医療・介護従事者の着衣サポートが不要となり、フィジカルディスタンスをより確保することができると考えられる。