2020年11月05日 17:24

日本触媒とリブドゥコーポレーション、トータルケア・システムの3社は、使用量が増加し続ける紙おむつをリサイクルするシステムの普及を目指し、様々な技術開発に取り組んでいる。今般、3社は、使用済紙おむつ中の高吸水性樹脂(SAP)に関する新規リサイクル技術を開発した。

2015年の国連サミットにおいて、持続可能な開発のための2030アジェンダが採択され、2030年を期限とする17の持続可能な開発目標(SDGs)と169のターゲットが定められた。使用済紙おむつの再生利用等は、SDGsに対して様々な形で寄与、貢献できるものとなる。

これまで使用済紙おむつのリサイクル工程においては、尿を吸収して大きく膨らんだSAPは紙パルプの回収率を低下させたり、あるいはSAPを回収しても性能低下が大きく再利用が難しい、という課題があった。これらの課題に対し、尿を吸収して大きく膨らんだSAPに処理を施して紙パルプとの分離性を高め、紙パルプ回収率を向上させる技術、SAPの性能低下を最小限に抑えて回収する技術を3社協力のもと開発。

この技術は、リサイクル時の省エネルギー化や河川等の水質保全も配慮した技術となっている。また、日本触媒製造の全SAPに適用できるのはもちろん、世界中の様々なSAPにも適用できる。今後は本技術を実用レベルまで高めていくとともに、3社が協力して、リサイクルしやすい素材開発、紙おむつ開発、環境にやさしい使用済紙おむつ新規リサイクル技術の開発・実用化を進める。