2020年10月14日 15:57

さくら酒店は、コロナ禍で国内での販売が激減し在庫を抱える蔵元の支援を拡大するために輸出の強化に乗り出した。行き場を失った日本酒を蔵から買い取り、マイナス5℃で氷温熟成させ、付加価値をつけて海外に販売することで、日本酒蔵の企業存続を手助けする。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、飲食店の営業自粛やイベントの中止などが相次ぎ、酒蔵の倉庫には出荷できずに売れ残った日本酒が山積みになっている。昨冬に造ったお酒は時間が経つにつれて味わいが劣化し、適切な温度管理を施さないと売り物にはならない。そんな行き場を失った日本酒を「マイナス5℃」というお酒が凍り始める一歩手前の環境下で熟成させることで、お酒本来の味わいを損ねることなく、鮮度と熟成感を兼ね備えた新感覚の味わいを生み出すことに成功した。それを国内ではなく、コロナ対策に成功した海外の国や地域に向けて販売することにした。

本来国内で流通するはずだった日本酒を再評価して買い取り、経済活動が回復傾向にある国や地域に輸出することで、蔵元の今期の酒造りの資金の一部を創出することができる。ただ単に在庫処分として国内流通できなかったものを海外で流通させるのではなく、マイナス5℃熟成により飲み頃のピークを持続させた特別な日本酒として現地の飲み手の心をくすぐりながら、日本酒そのものの価値を高める取り組みとなる。