2020年09月16日 17:30

8月26日、京都市北区にある大宮交通公園から、大阪府交野市にあるハピネスパーク交野霊園へ京都市電(N電)が到着した。

京都市電(N電)は、明治45年の製造から昭和36年まで北野-京都駅前間を走っていた、日本で一番初めの電車。役目を終えた後は京都の大覚寺にて保存されたあと、場所を大宮交通公園に移し、長らく京都の人々に親しまれてきた。同公園の再整備に伴い、行き場を失いかけた京都市電(N電)を同社が譲り受け、新たに霊園の法要施設として息を吹き返すこととなった。

大宮交通公園での積込作業は、2020年8月26日午前に開始。あらかじめ地面を鉄板で補強し、大型の重機でトレーラーへ電車を積み込んだ。車体のほとんどが木で作られているため、車体が損壊しないよう細心の注意を払いながら吊り上げられた。2020年8月26日の21時、ハピネスパーク交野霊園へ向けて、大宮交通公園を出発。途中、美しくライトアップされた二条城を横目に、かつて走った京都市街を駆け抜けた。深夜にもかかわらず、多くの鉄道ファンが駆け付け、見守られながらハピネスパーク交野霊園を目指した。

出発からおよそ3時間後に、大阪府交野市にあるハピネスパーク交野霊園へ到着。途中、霊園内の橋の欄干を外す事態に見舞われながらも、到着から3時間後の27日午前3時頃、京都市電(N電)は新たな地に腰を据えた。9月上旬より、外装の塗装作業を開始予定。その後2~3か月をかけて内装の修繕作業を行い、法要を行える施設としてオープンを予定している。