2020年08月04日 14:47

丸富製紙は、超長尺(1ロールの長さ200m以上)トイレットペーパーに関する製法特許を出願した。

同社は、2015年11月に史上初の長さである、超長巻き250mのトイレットペーパーを開発、販売を開始。発売以来、バックヤード向けにテーマパーク・ホテル・公共施設など幅広い分野の施設で採用された。また、2016年3月に発売された一般家庭向けの超長尺ロール「ペンギン超ロング5倍巻きトイレットペーパーシリーズ」は従来にない超長巻きトイレットペーパーとして多くのユーザーから支持を得ている。

170m以上の超長尺ロールを製造するには、紙を巻く過程において、ロールの径が大きくなってしまい、ロールホルダーに収まらない課題がある。また、規定の幅に断裁、スリットする際にはロールが硬くなり、巻き上げ時の高テンションで、工程不良や商品不良が多発してしまう。さらに、超長尺ロールは独自の製造工程で巻き取っているため、通常の有芯ラインの製品よりも、どうしても紙が薄く、かつ硬い風合いになる。

同社は、これらの課題解決に向けた施策として、紙を製造する上で重要な数値である、原料の叩解度、坪量、クレープ率、J/W比率などの最適な組み合わせを見出すことで、超長尺ロールの加工に適した原紙抄造を実現した。また、高テンションで巻き上げる際に耐えうる、紙の引張り強さ、破裂強さを確保。こうした絶妙な数値の調整および試行錯誤により、課題であったロール径の大きさ、工程・商品不良の問題を解消した。また、十分な紙強度を確保できたことで、製品の使用感の課題に関しても、度重なるテストの末、満足できるレベルへ到達した。

丸富製紙