2020年07月15日 12:10

愛知県豊橋市は、花農家から直接バラやコチョウランなどの花を購入できるインターネット上のショッピングモール「花いちば.com」を7月14日に開設した。

56年連続日本一の花の産地、愛知県。中でも豊橋市は屈指の生産地だ。新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて、現在の花き業界は非常に苦しい状況にある。卒業式や入学式などの需要で、本来繁忙期である3~4月に様々なイベントが自粛され、イベントを彩る花きの需要が激減。市場では、一時値がつかず、販売機会を失った花は消費者の手に届くことなく廃棄されることもあった。生産者が独自に販売ルートを持っていることは稀で、成長を待ってくれない花は行き場がない状況が続いた。

そうした状況の中、「花いちば.com」は、インターネット販売の知識に乏しい農家でも、生産した花をより多くの人々に届けられるよう、販売機会を増やす狙いを持って開設された。サイトには、8戸の花農家が出店。バラ、デルフィニウム、トルコギキョウといった切り花のほか、鉢花の、コチョウラン、シンビジウム、ボロニア、グズマニアや、多肉植物の寄せ植えなど多彩なラインナップが揃う。参加する農家は今後も増える見込み。

「配達日が指定できない」ことは、一見デメリットと思えるが、旬な時期に一番良い状態で花を届けるための仕組みとなっている。生産者が直接販売するため、通常よりお得に買えるのも魅力のひとつだ。また、サイトには農家から花の生産状況が配信される工夫があり、購入時期や花の楽しみ方などを農家と消費者が交流しながら、楽しめる仕掛けになっている。

花いちば.com