2020年07月01日 17:27

日本集中治療教育研究会(JSEPTIC)と、集中治療医療安全協議会(CCPAT)では、新型コロナウイルス感染拡大に先駆けて、普段重症患者の診療に慣れていない医療スタッフ向けに、世界標準の集中治療のオンライン教育プログラムを提供している。

新型コロナウイルスのパンデミックが拡大する中で、日本国内の医療施設でも一時は重症患者数が急増し、オーバーシュート直前の状況にまで至った。幸い、第1波と呼ばれる状況を脱したが、東京を中心にすでに第2波の兆しが見えてきている。その中で、集中治療室(ICU)病床の不足が指摘され、行政からの要請により多くの医療施設でICU病床の拡大を行った。しかし、ICUでの重症患者に慣れた医療スタッフは全国的に不足しており、またその教育を行うことができる人材が不在の医療機関も多いのが実情。

そこで、集中治療の教育・普及を推進する両団体は第1波の拡大に先駆けて、普段ICUで従事していない、重症患者管理に慣れていない医療者をサポートするため、協同でCOVID-19情報提供サイトを立ち上げた。

とくに人工呼吸器管理については、世界標準的知識なくしては対応が困難であり、知識のない非専門家が対応してしまうと何の兆候もなく死亡率を高めてしまうことが知られている。本サイトのコンテンツを通じて自己学習することにより、普段、集中治療に慣れていない医療者であっても、安全に、効率的に、重症患者の診療に当たることができるようになる。