2020年06月24日 18:04

OKIは、密漁船や水中の不審なダイバーを監視し検知する「密漁監視ソリューション」を開発、6月24日より販売を開始した。合わせて、北海道の増毛郡増毛町、古宇郡泊村、岩内郡岩内町において、同ソリューションによる密漁監視の運用を順次開始する。
近年、アワビやナマコなどは高級食材として、組織化・大規模化された密漁団などに狙われることが多く、その被害額は年々大きくなっている。また夜間に無灯火船で移動し、潜水器を用いてダイバーが密漁を行うなど、その手口も巧妙化。大切な海の資源を守るため、監視カメラ、レーダーなどによる監視や、人手によるパトロールなどが行われてきたが、いずれも人件費や装置コストの負担が大きいことに加え、夜間に無灯火船、水中のダイバーの両方を監視し不審者を発見するのは難しいという課題があった。
OKIの水中音響センシング技術は、自ら音を発信することなく海中音を受信する水中音響センサーを使用しており、水中を伝わってくるさまざまな音の中から、船のエンジンやスクリュー音、ダイバーの呼吸音などをリアルタイムに検出することができる。このため、昼夜を問わず、不審船の侵入、さらにはこれまで発見が難しかった不審なダイバーの接近を、水中の音からいち早く検知して通知することが可能。
2018年度にスタートした実用化検証の結果、水中音響センシング技術を使った密漁監視ソリューションの実用化に成功し、販売を開始することになった。販売目標は今後3年間で5億円。