2020年06月18日 12:51

太陽工業は、大雨などによる洪水発生時に工場などから油の流出を防ぐ「陸上用オイルフェンス」を製品化した。

大型膜面構造物(テント構造物や土木資材)などを手がける「膜や」の太陽工業は、これまで西日本豪雨災害(2018年)で岡山県真備町の河川仮復旧工事に採用された「コンクリートキャンバス」をはじめ、津波災害などの復旧現場で活躍する連続箱型鋼製枠「マックスウォール」や、土のうに代わる水防ツールとして開発した「(三角水のう)デルタチューブ」など、豊富な水防製品を取り揃えてきた。

今回、太陽工業が製品化した「陸上用オイルフェンス」(特許出願中)は、焼入れ加工の冷却用油槽を備えた鉄工所や製造設備で機械油を使用する工場などに、シート状の「膜面」を施設の外壁に沿わせて形成し、水に浮かんだ油が周辺地域に流出する事を防ぐ水防ツール。シート状の「膜面」は、化学繊維に塩化ビニール樹脂等をコーティングした素材で、洪水時に裾部分が浮き上がる事を防止するウェイトや、迅速な設営を行うための吊り下げ用部材を装着。1枚当たりの大きさは1人で持ち運び可能なサイズとし、隣の「膜面」とはマジックテープなどで連結し大面積を形成する。これらの「膜面」は通常時は折り畳んでコンパクトな状態で保管、緊急事態が発生する際に展開させ、あらかじめ建物外壁部分に設置されたワイヤーなどに吊り下げる事で洪水発生に備える。

なお、「陸上用オイルフェンス」は2019年8月に発生した佐賀豪雨による油流出事故など、近年多発する災害への備えとして考案したもので、3月に特許出願し、製品化に至った。

太陽工業