2020年03月30日 15:57

凸版印刷は、「セルロースナノファイバー(CNF)」を用いた飲料向け紙カップで、高いバリア性と密閉性を持つ「CNFエコフラットカップTM」を開発。2020年4月よりサンプル出荷を開始する。
CNFは、紙の原料となる木の繊維をナノオーダーにまで微細化したバイオマス素材。「軽くて強い」「熱変形が小さい」などの特長があり、自動車、家電、塗料や繊維などさまざまな分野で新素材として期待されている。
凸版印刷では、このたび、日本製紙グループとともに性能改善に取り組み開発したCNFをコーティングした原紙を使用することにより、本製品に高いバリア性を付与。それによって、従来のプラスチックカップと同等のバリア性を有しながらもプラスチック使用量を約50%削減することが可能となった。また本製品はバイオマス素材であるCNFを使用しているため、CO2排出量を約20%削減する。
今まで固形食品用途にしか使用できなかったCNFを用いた紙カップを、飲料などの液体用途としても使用することができ、無菌充填・高温充填にも対応可能。加えて、従来の飲料向けプラスチックカップとほぼ同等の価格を実現した。凸版印刷は今後、本製品を飲料メーカーや流通企業などに向けて拡販。CNFを用いた紙容器全体で2023年度に約5億円の売上を目指す。また、凸版印刷は今後もCNFを用いた新たな紙容器の開発を推進していくとしている。