2020年03月05日 12:34

偕成社は、「地図で見る 日本の地震」を刊行した。

本書は、日本の地震の歴史を振り返るための本。この本が企画されたきっかけは、数年前に編集者が3人の地震学者に「子どもができる防災対策はありますか?」と質問したことだった。奇しくも3人の回答は全く同じ。それは、「過去の地震を知ること」だけれど、「子どもがアクセスできる情報がない」というものだった。

本書ではこれに応えるべく、過去に日本で起きた大きな地震を網羅。歴史に残る最古の地震679年の筑紫地震~2019年の山形沖地震までを、地域ごとに紹介している。まず、地図上で「いつどこで地震が起きたか」を示し、つぎに、「地震の大きさや被害」を、絵やテキストや数字、過去の資料からの引用を用いてくわしく解説。自分の住む地域でおきた地震について、参照しやすくしている。豊臣秀吉の伏見城天守閣を倒壊させた1596年の慶長伏見地震、徳川幕府をゆるがした1855年の安政江戸地震など、大地震は歴史を動かしてきた。解説では、ときに当時の文字の記録をそのまま引用し、地震発生時の様子をリアルに伝える。

「いつ」「どこで」地震が起き、そのとき人びとは「どのように」行動したのか。地震が起こることは防げないが、日本にあるこの「過去の地震の記録」という大切な財産から学び、「そなえる」ことはできる。自分の暮らす地域で過去にどんな地震があり、どんな被害があったのか、まず「知ること」からすべてがはじまる。ソフトカバーで持ちやすく、地図帳のように、各家庭に必携の1冊だ。

定価は2000円(税抜)。発売時期は2019年12月。

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