2020年03月03日 17:41

アドベンチャーワールドは近畿大学生物理工学部および先端技術総合研究所との共同研究において、国内で2例目となるキングペンギンの人工授精に成功した。1月31日に誕生した赤ちゃんのDNA鑑定の結果、父親は精子を提供したオスであることがわかった。現在赤ちゃんは母親と育ての父親とともにペンギン王国で過ごしている。※1例目は鴨川シーワールド。

自然繁殖のみでは、特定の遺伝子に偏るなどの問題があるため、ペンギンの羽数維持、遺伝的多様性を保つためには人工授精の技術も必要となる。今後も、自然繁殖と人工授精の併用を進めていき、飼育下における種の保存への貢献につながるよう努力していく。

キングペンギンの赤ちゃんは1月31日生まれ。孵化日数56日、性別メス。出生体重207.2g、現在は1760g(3月2日測定)。

2017年、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学とアドベンチャーワールドがタッグを組み、展示・希少動物の繁殖のための共同研究をはじめとする産学連携に関する協定を締結した。精子の活性を維持させる既存の鳥類用精子希釈液を改良し、これを用いて希釈した精液を排卵期であると予想されたメスの総排泄腔(鳥類の生殖口)へカテーテル挿入を行った。その結果、キングペンギンの人工授精に成功。現在は、開発したキングペンギン専用の保存液を使用した精子の凍結保存まで完了しており、これを用いた人工授精の成功を目指し、取り組んでいる。