2020年02月17日 17:11

帝国データバンクでは、「2020年の景気見通しに対する企業の意識調査」を実施、その結果を公開した。2019年の景気は「回復局面」とする企業が2年連続で1ケタ台となる一方、「悪化局面」は7年ぶりに3割台となるなど、2018年に引き続き、厳しさの増す1年となった。

調査では、2020年度の賃金改善が「ある」と見込む企業は53.3%と、4年連続で5割を超えたものの、前回調査(2019年1月)から2.2ポイント減少。賃金改善については、「ある」が「ない」を10年連続で上回ると同時に、その差も33.1ポイントと非常に大きな状態が続いていることが分かった。賃金改善の具体的内容は、ベースアップが45.2%(前年度比0.4ポイント減)、賞与(一時金)が26.3%(同4.0ポイント減)。ベアは4年連続で4割台の高水準となった一方で、賞与(一時金)は2割台に減少した。

賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が80.6%で過去最高を更新してトップとなり、人材の定着・確保のために賃上げを実施する傾向は一段と強まっている。一方で、「自社の業績拡大」(36.0%)が前年から4.9ポイント下回った。改善しない理由は、「自社の業績低迷」が前年度比5.5ポイント増の58.1%となり、5年ぶりの増加となった。

労働需給がひっ迫し、半数近い企業が人手不足を感じているなか、人手不足の解消法として「賃金水準の引き上げ」はトップにあげられており、労働力の定着・確保に向けた賃上げの動きは今後も続くとみられる。詳しくはこちら