2020年01月29日 12:40

フジタは、古河ロックドリルと共同で、ロックボルト遠隔打設装置「ロックボルタ」を搭載した国内初の多機能機械を開発した。

山岳トンネルの施工は、発破、ズリだし、支保工の繰り返しが基本作業だ。これらの作業の中で、ロックボルト打設の次工程が装薬孔穿孔となり、ドリルジャンボを使用した連続作業となる。このため、ドリルジャンボの3ブームを有効活用し、これらの作業の効率化を図るために、両社でロックボルト打設と装薬孔穿孔を同時に行える多機能機械の開発に取り組んできた。

また、一般的にロックボルト打設は、ロックボルト挿入孔の穿孔をドリルジャンボによる機械作業で行うが、定着モルタル充填やロックボルト挿入は切羽近くでの人力作業となる。切羽近傍の作業では、掘削面から岩石が落下して作業者を傷付けるリスクがあり、切羽作業時の安全性の確保の更なる対策が求められてきた。

本機械はブームが3本あるドリルジャンボの中央ブームにロックボルタを搭載することにより、トンネル支保部材であるロックボルトを遠隔打設しながら、左右のブームで火薬を詰めるための装薬孔を穿孔することが可能となるもの。作業の効率化とともに、ロックボルト打設時の切羽近傍での人力作業も回避することができ、安全性の向上が可能となる。

本機械は新三国トンネル工事の現場で実用化し、ロックボルト打設の円滑な施工性を確認するとともに、ロックボルト打設作業の効率化・安全性向上を図ることに成功した。本機械は今後、更なる生産性向上と安全性向上に向けて導入を進めていく予定だ。