2017年04月06日 13:10

Richard Bomphrey博士、中田敏是博士(千葉大学大学院工学研究科)らの研究グループは、高速度カメラとシミュレーションによって、蚊の飛行メカニズムを明らかにした。

蚊の羽ばたき運動は1秒間に約600~800回と、同程度のサイズの昆虫、例えばショウジョウバエの約200回と比較して非常に高速。様々な昆虫が「前縁渦」と呼ばれる、昆虫の翅の前縁付近の上面にできる渦を発生させていることは知られているが、研究では、蚊はこの前縁渦に加えて、「後縁渦」と「回転抗力」という二つの特殊なメカニズムによって、空気力を発生しているということが明らかになった。

どうして蚊がこのような特殊な空気力発生メカニズムを利用するようになったかは明らかになっていないが、翅の高速運動に必要な大きなパワーは、羽ばたき音によるコミュニケーションなど他の機能を進化させるための対価である可能性があると、論文では提案されている。