2016年09月20日 08:04

千葉大学大学院医学研究院・中山俊憲教授の研究グループは、喘息や好酸球性副鼻腔炎など難治性アレルギー疾患発症の鍵となるタンパク質を発見し、発症のメカニズムを解明した。

研究では、CD69分子を発現した病原性免疫細胞が血管から外に出るのを手伝う「タンパク質」の存在を発見。このタンパク質(Myl9/12分子)は炎症に伴って血小板から放出され、血管の内側に付着して「ネット様構造(Myl9 nets)」を構築する。病原性免疫細胞が血管から外に出る際、「Myl9 nets」が「プラットフォーム」として働いていると考えられることが分かり、「CD69-Myl9システム」と命名した。

難治性炎症疾患の好酸球性副鼻腔炎患者の解析では、ポリープ中に「Myl9 nets」が多く確認され、「CD69-Myl9システム」が慢性炎症疾患の慢性化や難治性の根本要因になっている可能性も示唆された。