2016年06月07日 14:42

横浜美術館では、6月25日より、印象派を代表する女性画家・メアリー・カサット展を開催する。本展は、彼女の初期から晩年にいたる画業の全貌に焦点をあてた35年ぶりの回顧展。
見どころの一つが、ボストン美術館から初来日の名作「桟敷席にて」。オペラグラスで一心に舞台を見つめる女性、向こうの客席から身をのりだすようにこちらを見ている男性、そして、その場面を眺める私たちの視線。三つの視線が交錯するスリリングな画面構成のなかで、男性に見られる存在である女性が、見る主体として堂々と描かれており、カサットの革新的な女性像の表現への意欲がうかがえる。
またカサットはドガやピサロらとともに銅版画の技法を研究したが、本展では、日本初公開作品を含めた約50点を紹介。なかでも近代版画の傑作と言われる10点組の多色刷り銅版画のシリーズ(通称「The Ten」)が全点揃っての公開は、非常に貴重な機会となる。開催は6月25日~9月11日。