2016年03月25日 10:16

千葉大学大学院の堀田英之特任助教らの国際チームは、スーパーコンピュータ「京」で可能になった超高解像度計算により、太陽活動11年周期を作るような大規模な磁場構造を生成・維持するメカニズムを世界で初めて解明した。

カオス的小スケールの乱流から大規模な磁場を生成するメカニズムを明らかにしたのは、研究チームが独自に開発した計算法「音速抑制法」。計算では、カオス的状況を維持しながらも10年スケールの磁場活動の周期を再現。今回可能になった超高解像度計算では、小スケールの磁場生成が活発になることで流れ場を強く抑制し、秩序立った大スケールの流れのみが許されるようになった。その結果、カオス的な状況の中でも秩序立った磁場が生成されることが明らかに。

このメカニズムはこれまで誰も考えすらしなかったが、実際の太陽でも働くはずであり、太陽活動周期の問題解決のための基本的で重要な機構を明らかにしたといえる。