2015年12月15日 08:29

千葉大学環境健康フィールド科学センターの矢守航助教らが、新産業である植物工場の推進や発展に繋がる新たな植物栽培システムである、上方照射を用いた葉の老化を抑制する栽培技術を開発した。

植物工場の産業化に至るまでの課題の1つに「老化葉」が挙げられる。植物工場では高密度に植物を栽培するため、葉が複雑に幾重にも重なる結果、外側の葉まで光が届かず、老化が進行してしまう。これまでも出荷前に、老化葉を取り除く作業に膨大な時間と労力がかかっていた。

今回、現在の植物工場において、広く栽培されているリーフレタスを材料に用いて研究した結果、下方照射(植物体への上から下に向けてのLED照射)のみならず上方照射を加えることによって、外側の葉の老化を抑制することが明らかになった。収穫量の増大のみならず、老化葉を削減することができ、生産過程で生じるゴミ排出量の大幅な削減や老化葉を取り除くための膨大な作業量の軽減にも貢献できると考えられる。

研究室ホームページ