2014年11月03日 11:57

スペインのバルセロナで10月30日、「第45回世界肺の健康会議」が開催され、国境なき医師団「MSF」が、薬剤耐性結核「DR-TB」に関する最新の研究報告書「Out of Step」を発表した。「DR-TB」を巡る時代遅れの施策と医学的対応の大幅な不足が、国際保健の危機的状況を助長していることに警鐘を鳴らす狙いがある。

この研究は結核の高まん延国8ヵ国を対象とした調査に基づくもの。結核の感染制御の取り組みが、国際的な勧告や実績のある対策から逸脱して、「DR-TB」の拡大を抑止できていない現状を明らかにしている。「MSF」は、各国政府、資金提供者、産業界の速やかな行動と尽力がなければ、「DR-TB」の拡大は避けられないと警告している。

薬剤耐性検査の普及の不足、未治療のDR-TB患者の増加、時代遅れの薬剤や費用負担の大きいケアモデルへの固執、有望な新薬や用法の改訂された既存薬の入手困難、深刻な資金不足が致命的な欠陥だ。