2025年10月06日 16:19

三菱電機は、高輝度・高精細でリアルな映像を空中に表示する空中ディスプレイ「CielVision(TM)(シエルビジョン)」を開発した。

空中ディスプレイの多くは、コストの低い再帰反射方式を採用しているが、光損失の大きい再帰反射材やハーフミラーを使用するため映像が暗く、解像度が低下するため視認性が低い点が課題。また、等倍光学系であるため、大きな映像を表示するにはその分大きな表示装置が必要となることから、適用範囲が限られていた。

同社は今回、自由曲面ミラー1枚のみで、クリアな映像を空中に表示することを可能にした独自の空中プロジェクション光学技術を活用。空中映像の歪曲を補正するデジタル映像処理技術を組み合わせることで、高輝度・高精細で歪みのない空中映像表示を実現するディスプレイ「CielVision」を開発した。

本ディスプレイは、2D表示に加え、空中映像重畳機能により両目に視差画像を同時に表示することで、裸眼で視認可能な3Dでの空中映像表示を実現。またスリム化を実現できたため、可搬性にも優れている。

本技術により、従来は適用が難しかったシーンへの空中映像の適用が可能になる。例えば、高輝度であることが求められる屋外、また、壁や頭上だけでなく通路の中央など、利用者の視界により近い任意の空間への案内表示などが可能に。道路や公共機関の案内表示などに本技術を適用することで、利用者の直感的な意思決定をサポートするなどの活用を見込んでいる。