2025年10月06日 09:01

八幡市立松花堂庭園・美術館は、松花堂昭乗と加賀藩の美術工芸に着目した展示をおこなう。お茶の世界、和食の世界にもテーマを広げ、京都吉兆ともタイアップして各種体験イベントも開催する。
17世紀、戦乱の世から和平に向かう時代。石清水八幡宮の僧として江戸時代初期を生きた松花堂昭乗(1584~1639)。その名は知らなくても「松花堂弁当」と聞けば、耳にしたことのある人も少なくない。「松花堂弁当」が誕生したのは昭和時代に入ってのことだが、誕生の背景には昭乗の人物像そして生きた時代が大きく関わっている。昭乗は芸術的センスに恵まれた人で、書画をよくし、茶の湯に通じ、多彩な人々と交流した。
茶会などの飲食の場は、良好な人間関係を築く上で、注目すべき場。昭乗の時代に盛行した茶の湯から懐石料理が生まれ、器の展開とあいまって美意識やもてなしのこころが醸成される。
展覧会では、昭乗の芸術をめぐって、茶の湯にまつわる芸術を中心に、江戸時代が始まる頃、京都の文化を受容し、独自の文化芸術を育んだ一大文化圏である加賀藩に注目。石川県に伝わる美術工芸品を出品してもらい、京都八幡と石川のゆかりを紹介。八幡ゆかりの「松花堂弁当」をめぐって、日本のお弁当文化の一端を紹介する。
入館料は一般600円、大学生500円、18歳以下無料(大学生を除く)。※庭園との共通券は一般840円、大学生670円。会期は10月11日~11月30日。※会期中に一部展示替えを行う。開館時間は9時~17時(最終入館は16時半まで)。