2025年09月30日 09:04

JALグループは、日本国内の空港で貨物の積み付けや保管時の固縛に使用するハンドリング資材として、本邦航空会社で初めてマスバランス方式を採用したバイオマス素材のストレッチフィルムを10月以降、順次導入する。
マスバランス方式は、従来の製造方法と比べて原料不足の懸念が少なく、かつ従来の石油製品と同等の物性を実現することができ、また大規模な設備投資が不要。今回、マスバランス方式を採用したバイオマス素材のストレッチフィルムを使用することで、CO₂排出量を年間約50トン削減することが可能だ。
JALグループでは、新規石油由来の使い捨てプラスチックの削減を目指しており、貨物事業では環境配慮素材が配合された資材を使用し、限られた資源の有効活用と環境負荷の低減に取り組んでいる。今回のストレッチフィルム導入により、中期経営計画ローリングプラン2025で掲げている貨物資材への環境配慮素材配合100%を達成する。
マスバランス方式とは、製品の加工・製造過程において複数の原料を混合する際に、原料の混合量に応じて製品に各原料の特性を適切に割り当てる方式。これにより、現行の石油由来原料100%のストレッチフィルムと同等の品質をもつフィルムの製造に際し、バイオマス素材を割り当てることが可能となる。加えて、ストレッチフィルムに配合されるバイオマス素材はSAF製造時に副産物として得られるバイオマスナフサを原料としており、限られた資源を最大限有効活用している。