2025年09月01日 15:43

コスモエネルギーホールディングスとS-Bridgesは、食品加工残渣由来のバイオエタノール製造技術の開発に向けた共同検討に関する契約を9月1日に締結した。
S-Bridgesは、静岡大学発のベンチャー企業で、廃棄物を未利用資源として100%有価物化することをめざしている。食品加工工場で排出される茶殻やコーヒー殻などの食品加工残渣を含む無消費素材から、タンパク質、液肥原料などの有用成分を抽出する「CBシステム」を有している。
この「CBシステム」による有用成分の抽出工程では、セルロース系繊維が副次的に得られる。コスモエネルギーホールディングスは、このセルロース系繊維を非可食由来のバイオエタノールの原料として活用することに着目した。
バイオエタノールは、燃料や化学品の原料として幅広く活用され、カーボンニュートラルの実現に貢献する物質として注目されている。現在主流の製造方法では、トウモロコシやサトウキビなどの食料作物を原料とするため、食料との競合が課題。一方、次世代型として期待される木材や紙パルプなどを原料とする方法は、広域な原料収集が必要となり、安定供給やコスト面に課題がある。
今後両社は、工場から本来廃棄されていたはずの食品加工残渣を活用し、副産された繊維を原料とするバイオエタノール製造の可能性を共同で検討。将来的には、国内の食品・飲料メーカーの工場へ展開することで、各工場でエタノール製造を可能とし、非可食・国産由来の安価なエタノール供給に繋がるビジネスモデルの構築をめざす。