2025年07月28日 12:01

OKIサーキットテクノロジー(OTC)は、真空環境下で稼働するロケットや人工衛星搭載機器向けに放熱性を強化した「銅コイン埋込フレックスリジット基板」を開発し、8月より販売開始する。
OTCは、OKIグループのプリント配線板(PCB)事業会社。フレックスリジット基板は、絶縁性フィルムを材料に使った、薄く、軽く、柔らかく耐久性に優れた屈曲性のあるフレキシブル基板(FPC)と強度の高いリジット基板(PCB)を組み合わせた構造で、折り曲げて搭載することができるため狭小スペース機器内への搭載が可能。基板間接続にコネクターが不要なため、省スペース化・軽量化・実装工数の削減が実現する。一方で、基板に搭載する電子部品は高性能化などにより発熱量が増加しており、宇宙空間のような地上と異なり対流による放熱ができない真空環境下での効果的な放熱対策が課題となっていた。
OTCは、熱伝導率の高い銅(銅コイン)をPCBのスルーホールに円柱状で挿入し、発熱する電子部品と接合することにより基板の裏側へ放熱させる独自の「銅コイン埋め込みPCB技術」により、リジット基板の放熱課題を解決してきた。今回、本技術をフレックスリジット基板に適用することで、真空環境下で高い放熱性を発揮する「銅コイン埋込フレックスリジット基板」が実現した。成長著しいニュースペース市場に向け、高発熱部品の熱対策課題を解決するとともに、コネクタレスで省スペース化・軽量化・実装工数削減を実現し、2026年度2000万円の売上を目指す。
標準価格は個別見積。販売開始時期は8月。