2025年02月06日 15:47

パナソニック空質空調社と大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は、前面開放型でも冷暖房が可能な日本初の「駅待合ブース」をOsaka Metro中央線朝潮橋駅に設置し、2月7日から実証実験を開始する。

昨今、気候変動の影響で特に日本の夏期における平均気温が上昇し、1898年の統計開始以降最も高くなる中で、熱中症死亡者数は右肩上がりで増加しており、屋外での暑熱対策は喫緊の課題となっている。一方で駅ホームにおける暑熱対策として一般的な個室型の駅待合室は、インバウンドによる人流の増加などもあり、安全性の観点から、スペースの限られるホームへの設置が容易ではなかった。

パナソニックとOsaka Metroは、空調機と送風ファンを組み合わせ、前面開放型の駅待合ブースを開発。パナソニック独自技術で作り出したゾーニング気流が、空調した空気を人の周囲から外に逃さないように包み込む。内部にある気流をコントロールするダンパーを切り替えることで、夏は冷風を上半身に直接当てて体感温度を低下させ、冬は温風を足元から吹き出し暖かさを感じさせる。個室型に必要な扉や中の移動スペースが不要で、個室型に比べて奥行を約50%削減し、ホーム上の歩行スペースを確保することで、ホームの狭い駅でも設置が可能となる。さらに、1席あたりの消費電力は前面開放型でも個室型と同等を実現している。今回、Osaka Metroの高架駅(屋外ホーム駅)である朝潮橋駅に、4席分の駅待合ブースを設置し、2月7日〜9月まで実証実験を行う。