2024年08月05日 19:00

日本山岳会は、サイト「日本の山岳古道120選」を8月11日「山の日」に公開する。
山岳古道とは、山の中を通るむかしの道のこと。熊野古道や箱根旧街道がよく知られている。古代や中世の道の多くは、山の尾根など高いところを通っていた。大雨などで崩れやすい川沿いの道や沼地が広がる平地の道ではなく、壊れにくく、日照時間が長くて見通しがきき、弓を持った敵や獣に対して有利な道が尾根沿いの道だった。やがて平穏な世が訪れ、土木技術が向上するとともに、道は人が住む山麓へ、平地へと移っていった。道は舗装され、幹線道路として整備され、やがて古い道は人々の記憶からも消えていった。
日本山岳会では、創立120周年を迎えるにあたり、日本の山岳古道の中から、文化的、歴史的、地理的な価値から記録・保全すべき120の山岳古道を選定。8月11日以降、順次、サイト「日本の山岳古道120選」で紹介する。
「日本の山岳古道120選」の公開により、新たな関心を呼び起こし、日本列島の魅力の再発見につながる。古道の持つ歴史的・文化的な価値を明らかにすることで、日本の歴史や文化への理解がいっそう深まるだけではなく、新たな文化の掘り起こしが可能になる。また古道を歩くという体験をとおして、歴史的空間を肌で感じることができ、その土地の深層に触れ、いにしえの人々の営みを豊かに想像することができる。さらに、地域において郷土愛を育み、地域活性化、観光振興に寄与する。
公開は8月11日以降順次。