2024年07月22日 15:36

三菱造船は、三菱重工業下関造船所江浦工場で建造した船舶3隻について、日本船舶海洋工学会から「シップ・オブ・ザ・イヤー2023」の部門賞を受賞した。
同賞は、毎年日本で建造された話題の船舶の中から、技術的・芸術的・社会的に優れた船を選考して贈呈されるもので、34回目となる今年は合計5隻が選考の対象となった。山友汽船の液化CO2(LCO2)輸送実証試験船「えくすくぅる」が技術特別賞、萩海運の旅客船兼自動車渡船「あいしま」が小型客船部門賞、国立高等専門学校機構 大島商船高等専門学校向け練習船の「大島丸」が漁船・調査船部門賞をそれぞれ受賞したもので、表彰式は19日に東京都千代田区の海運クラブで行われた。
「えくすくぅる」は、LCO2輸送において各種データを取得可能な試験船という役割と実用的なLPG輸送船を兼ねた船であるという点、将来的な大型船によるCO2海上輸送の実現に向けた貴重な技術知見が得られるという点などが評価された。また、「あいしま」は、在来型貨客船である被代替船に比べ大型化を図り、ロールオン・ロールオフ型にして車の積載が可能となったことから、車で釣りに出かけるといった新規需要の獲得、商店がない島への移動販売車の定期的な輸送、バキュームカーなどの利用普及などに貢献できる点などが評価された。一方、「大島丸」は、バッテリーハイブリッド電気推進システムやゲートラダーの搭載などによる練習船としての革新性、乗船する学生の勉学環境と快適性を同時に確保した点などが評価された。