2024年03月05日 16:18

宮城県「一の坊(イチノボウ)」社が2018年から実施している「快適エコ活動~地球にやさしい高付加価値な温泉リゾートの創造~」が、「2023年度 省エネ大賞」を受賞した。「省エネ大賞」は東日本の温泉宿で初受賞、「資源エネルギー庁長官賞」は、全国の温泉宿で初受賞となる。
宮城県にある「海と山と森の温泉リゾート 一の坊」。豊かな自然環境を守るために省エネに取り組み、その成果が今回の「2023年度省エネ大賞」受賞につながった。同社では、浴槽からあふれ出るなど活用されないまま廃棄されてしまう「温泉の熱」に着目、その熱エネルギーを回収し利用する温泉廃熱利用システムを導入した。客室露天風呂21カ所と大浴場から廃棄されてしまう温泉の温度は35℃程度で、毎分90リットルにも及ぶ。
この廃棄されてしまう温泉を、二重管式熱交換器に通して熱回収し、浴槽保温のための加熱、貯湯槽補給水の予熱、冬季積雪時のロードヒーターなどに活用している。こうした廃湯の熱を使い切る工夫により、既設ボイラーの稼働を抑制し、重油使用量を大幅削減でき、再生可能エネルギーの活用と環境負荷の低減を実現した。
同グループとして2018年から取り組んだ「快適エコ活動計画」実施前の2016年と、2022年との比較では、二酸化炭素排出量42%削減、エネルギー使用量37%削減の成果となっている。