2024年01月17日 20:02

冨士ダイスの「高熱膨張ガラス成形用新硬質材料『フジロイTR05』」が、日刊工業新聞社主催の「2023年 第66回十大新製品賞」において「モノづくり賞」を受賞した。
「フジロイTR05」は熱膨張係数が従来超硬合金の約2倍。ガラスの熱膨張係数に近づけることで、ガラス成型の離型時に硝材の嚙み込みを抑制する。比重が従来超硬合金の約1/2と小さく軽量で、熱膨張係数が高い赤外線透過レンズや医療分野向けガラス精密加工製品を成型する用途に最適な新硬質材料。
自動車の自動運転用センサーや監視カメラなどに搭載する赤外線透過ガラスレンズは近年、需要が高まっている。しかし一般のガラスより熱膨張係数が大きいため、従来の金型材料ではプレス成形時に金型材料とレンズの熱による寸法の変化量の差が生じ、割れやすいなどの課題があった。同社が開発したガラス成形用新硬質材料「フジロイTR05」は、熱による寸法の変化量をガラスと同程度の従来比2倍に引き上げることでプレス成型時の割れを防ぐ。それにより、熱膨張係数が大きいガラスレンズの安定的な量産を可能にした。
なお、「フジロイTR05」の開発については、日本機械工具工業会主催の「2023年度日本機械工具工業会賞」において、最高栄誉の「技術功績大賞」も受賞している。製品の詳細はこちら。