2023年12月06日 19:09

北海道岩内町は、現役を引退した競走馬たちの支援を目的とした寄附の受付をふるさと納税で開始した。北海道の西側、積丹半島の付け根に位置し、山と海に囲まれる岩内町。まちの中心部から少しはずれたしずかな場所に、現役を引退した馬が余生を過ごせるよう活動する養老馬牧場「ホーストラスト北海道」が存在する。

JRA(日本中央競馬会)によれば、国内では年間7000頭ものサラブレッドが生まれ、2歳で競走馬としてデビューし、現役の期間は3~5年ほど。引退する馬のうち、約半数が繁殖馬や乗馬クラブなどで乗馬用として第2の人生を送る。一方で残りの半数以上は所在不明といわれており、所在不明の内情には殺処分や馬肉業者へ引き渡したりするケースも含まれる。

現実問題として、馬1頭を飼育するには、莫大な餌代に加え、広い土地、世話をできる人材が必要であり、すべての引退馬を生存させることは難しい。ホーストラスト北海道は、北海道庁が認定するNPO法人として、1頭でも多くの引退馬に安心して余生を過ごしてもらいたいと活動。行き場のない馬を引き取り、のびのびと暮らせる活動をおこなっている。

このたびのホーストラスト北海道への寄附に関しては、返礼品代金25%を引退競走馬の支援に活用するため、返礼品の発送はない。なお、ふるさと納税寄附金18万円で、1頭の約1カ月の飼育費となる(本来の委託費4万5000円が実飼育費・寄附金額の2.5割)。