2023年07月31日 12:22

ナノリサーチ京都とAC Biodeは、水系や有機溶剤系や少々粘度が高い原料液でも液滴化できる微粒子合成を開始した。バイオ医薬品、ドラッグデリバリーシステム、化粧品、化学業界等向け5μm以下粒子径バラつきの少ない、生産性の見込める新手法となる。
粒子径の小さな微粒子を製造する方法としては、一般的に界面重合法(界面架橋法)、乳化重合法などが知られているが、これらの一般的な重合法は、粒子径の制御やバラツキに課題がある。また、最近ではマイクロリアクターやインクジェットを用いて、単分散の粒子合成も行われている。しかし低粘度(~20cps)の原料液しか扱えないこと、10μm以下の微粒子合成は原理的に不可能。
同社では、比較的粘度の高い(~100cps)原料液を多量に液滴化して、液-液反応又は乳化重合により、数μm以下の粒子径バラツキの少ない微粒子合成を開始した。実施した事例として、原料液であるアルギン酸ナトリウム1.5%水溶液(50cps)を多量に液滴化。液滴化した原料液を塩化カルシウム水溶液中に射出し、反応させ、反応液を濾過し、0.8μmの粒子径バラツキの少ないアルギン酸カルシウム微粒子を得た。アルギン酸ナトリウム水溶液にナノ粒子や菌などを分散しておくことにより、ナノ粒子や菌を内包したアルギン酸ボールが製造可能となる。