2022年12月20日 15:48

日本航空(JAL)とクレスコは、医療AIによる画像認識技術を活用した「航空機エンジン内部検査ツール」を開発する。
航空機エンジンの内部には何百枚ものタービンブレードが存在しており、工業用内視鏡を使用して検査を行っているが、ブレード1つ1つの故障リスクを見分けるには整備士としての長年の経験とそれに基づく技術が求められる。JALとクレスコにて、プロトタイプのツールによる検証を重ねた結果、整備作業における同ツールの機能と将来的な活用性が評価され、加えて故障予測の実現性も確認されたことから、今般、JALの持つエンジン整備の豊富なノウハウと、クレスコが医療分野で培った画像認識技術や機械学習の知見を掛け合わせた同ツールの開発を決定した。
タービンブレードの詳細な検査記録をデータベース化し、より精密な内視鏡検査に取り組むとともに、今後は日々の検査で蓄積された情報と運航中に収集しているエンジンデータを融合させることで、不具合の発生を予測して事前に整備処置を行う予測整備へつなげることを目指す。また、同ツールの活用により、ベテラン整備士の持つ豊富な知見や高度な内視鏡操作技術を若手整備士へ継承することにも取り組む。
同取り組みはJALグループが2021年-2025年度 中期経営計画において、安全・安心の取り組みの一つとして掲げる、「航空機の故障予測技術」「画像認識技術(エンジン内部検査強化)」に関わるもの。両社はこれからも、JALの航空機整備で培った知見と、クレスコが医療分野の研究で培った最新テクノロジーを相互に活用した取り組みを積極的に推進していく。